一言で言ってしまえばひらべったい
けど言わずにはいられない
わかっちゃったんだ
私って1人じゃないんだ
物凄く当たり前かもしれない
けど凄い事だって、バットでガツーンと、殴られたみたいに唐突に感じた
泣くのも
笑うのだって
独りで出来た
独りで決めて独りで寝てた
でも乾いて乾いてしょうがなくって
逃げ出したかった
自分から目をそらして
袖が触れただけみたいな人達と恋愛ごっこをした
未来の無いもの、確証のないものにすがっただけ
ただその1晩の温もりだけを知りたかっただけ
未来なんかないって事に安心していたかっただけ
ひとり遊びをしているだけだったのだ、結局は。
縛られるものが無いという状況は
きっと最も自分を縛っている状況なのかもしれなかった
家を出て縛りから抜け出して、
私はもうひとりなんだ!!
もうお母さんやお父さんの苦しみから逃れられたんだ!
そう安心して解けていた自分は、結局はまだ子供で、がんじがらめだったんだ。
縛られてるのが苦しいんだ、と彼は言った
私は、縛りが無くなった時に来るのは孤独と苦しみだよ…と心の中で呟いた
自分に課せたルールや人付き合い、気付けばがんじがらめになっていたりする
会社や通勤、毎日のそれ。
無くなったらとたんに足場が崩れるってみんな頭の片隅に知っているんだ
だから辞めたい独りでゆっくりしたい、と言いつつも人の明かりや営みに吸われていく
なんだか蛾みたいだね
いつだって逃げ出したかった
でもいつだって誰かに触れていたかった
だから動いてがむしゃらに、周りの景色を流していたかった
彼氏が出来て、結婚とか、そんな話しをする様になってきて
ああ確かに、2人でひとつのものを作るのは途方もない…結婚したら縛られるのだな…って感じた
でもわかったのは全部はんぶんこできるんだってこと
ひとりじゃないんだって意味
一緒に逃げてもあげたいし、逃げ出そうって言ってもいいんだってわかったんだ
私はあなたが好きだよ
だから大丈夫、安心して、ご飯を食べましょう
大丈夫、大丈夫よ
私はあなたの味方だよ
そう言ってあげれる、言ってくれるなんて怖くて痛くてなんて幸せなんだろう
親からしてもらえなかったことを子供は出来ないって言うじゃない
でも私にとって親は、飲み屋で知り合ったおっちゃんやおばあちゃんやお兄ちゃんやお姉ちゃん
知り合った分だけ、
して貰った分だけ、
私にもできるんだって、出来るようになっているんだって、少しはうぬぼれていたいんだ
自分のことはまだまだ嫌いだけど、
私のことを好いてくれている人は否定したくない
私より私を好きになってくれている人がいて、私は苦しい
でもこんな苦しい縛りなら、甘んじて受け止めるよ
うん。
ちゃんと人を好きになれてよかった
私だって幸せになっていいはずだもの
私にだって人を幸せにしてあげられるはずだもの
幸せな縛りをどんどん結ってどんどん生きるしかない状態にもっていくしかないんだ
私は私が幸せである事が誰かを幸せに出来るだなんて、怖くて考えたくもなかっただけ
繋がりが縛りが、死ぬ事を許してくれなかった
でもそれは今はありがたい
私の生きてて良かった!は本当のよかったです
本当に死のうと、憎い人に一番ダメージのある死に方を、ずっと考えていたあの暗く苦しい時期
それが過ぎてからの私は、
初夏の緑のように春先の芽のように生きることを祝福できている
いきててよかった
皆と出会えてよかった
ひとりじゃないんだよってふっくらした毛布に包まれてるような気持ち
私も誰かを包んであげなくては
まずは身近な人達から
大好きな彼から。
洗って干したばかりの毛布のように、ふわふわぬくぬくのになりたいなぁ
幸せってどんな形?って、きっとそんな形だと思う…
私が他人にあげられる幸せが、そんな形だったらと切に願います